文字サイズ
標準
拡大

自然エネルギーは、政策によって普及のための前提条件を整えることで多様なステークホルダーが市場に参入し、導入が加速します。目標値の設定、固定価格買取制度をはじめとする規制、税制措置、情報キャンペーンといったさまざまな政策手法を組み合わせ、国・地方自治体・地域コミュニティのそれぞれで取り組みを進めていくことが必要です。ISEPは、国内外の研究者、実務家と共に自然エネルギー政策の研究・提言を進めています。

2017年度第1四半期の系統電力需給にみる自然エネルギーの割合の推移(速報)

当研究所は、下記の通り、2017年度第1四半期の系統電力需給にみる自然エネルギーの割合の推移について分析を行いました。

概要

  • 2017年度第1四半期(4月~6月)の系統電力需要に占める全国の自然エネルギーの割合は平均19.7%に(2016年度第1四半期17.8%)
  • 2017年5月の系統電力需要に占める全国の自然エネルギーの割合は月平均21.4%に(2016年5月20.0%)。
  • 2017年4月30日の系統電力需要に占める全国の自然エネルギーの割合は1日平均で最大の27.7%となり、ピーク時(11時台)には52%に達した(2016年度は最大46%)。
  • 九州電力エリアのピーク時(2017年5月14日)の自然エネルギーの割合は系統電力需要に対して最大87%に達した(太陽光が71.5%、水力が12.9%)。1日平均では39%に(太陽光23%)。

本文

2016年4月より一般送配電事業者から法令に基づき公開された電力会社エリア毎の電力需給の実績データ(電源種別、1時間値)[1]によると、2017年度の第1四半期(4月~6月)において日本全体の電力需要に対する自然エネルギーの割合が平均で19.7%となった(2016年度第一四半期は17.8%だった[2])。特に2017年4月30日のピーク時(11時台)の1時間値では最大52%に達し、1日間の平均でも27.7%に達している(図1)。前年度(2016年度)のピーク時の最大値は46%だった。一方、原子力発電の割合は平均3.5%だった(2016年度の平均は1.9%)

電力会社(一般送配電事業者)のエリア別では、表2に示すとおり九州電力エリアの2017年度第1四半期(4月~6月)の系統電力需給実績で、2017年5月14日のピーク時(11時台)で最も自然エネルギーの割合が高く、最大87%にまで達している(図2)。特に太陽光を中心にVREの割合がピーク時に75%に達しており、太陽光が71.5%、水力が12.9%、地熱が1.8%、風力が0.6%、バイオマスが0.3%となった。同日の自然エネルギーの割合の1日平均は39%になり、太陽光の割合が23%に達した。

各エリア別のピーク時の最大値で自然エネルギーの割合について、中西日本では、図3に示す通り四国電力エリアでも最大値が83%に達しており、VREの割合が66%と高い特徴がある。中西日本全体でも、図4に示す通りエリア全体でのピーク時の自然エネルギーの割合が約58%に達している(VREの割合は約44%、太陽光は43%)。一方、東日本では、図5に示すように東北電力エリアで最大値が74%に達しているが、VREの割合は41%程度にとどまる。東北電力エリアから東京電力エリアに対しては会社間連系線により大量の電気が供給されており、ピーク時には電力需要の約半分にも達する。図6に示す東京電力では、ピーク時には自然エネルギーの割合が41%に達して揚水発電により蓄電を行っているが、その充電量は東北電力から供給される電力量に相当する。このため、図8の東日本エリア全体の電力自給では東北電力と東京電力のエリアが一体となって電力の需給調整を行っているように見える。図8に示した北海道電力エリアでは、ピークに自然エネルギーの割合が71%に達するが、その内訳で太陽光29%に対して風力が10%に達するという特徴がある。

[1] 電力広域的運営推進機関(OCCTO) 系統情報サービス「需給関連情報・供給区域別の供給実績」 https://www.occto.or.jp/keitoujouhou/index.html

[2] ISEP研究レポート「2016年度の電力会社エリア毎の系統電力需給にみる自然エネルギーの割合」2017年10月6日 http://www.isep.or.jp/archives/library/10499

図1 日本国内全体の1日の系統電力需給の実績(2017年4月30日) /出所:各電力会社が公表する電力需給実績からISEP作成

表2. 地域毎の自然エネルギーの割合の最大値(2017年度第1四半期)/出所:各電力会社が公表する電力需給実績からISEP作成

表2. 地域毎の自然エネルギーの割合の最大値(2017年度第1四半期)/出所:各電力会社が公表する電力需給実績からISEP作成

図2 九州電力エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年5月14日)/出所:九州電力が公表する電力需給実績からISEP作成

図3 四国電力エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年4月23日)/出所:四国電力が公表する電力需給実績からISEP作成

図4 中西日本エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年4月23日)/出所:各電力会社が公表する電力需給実績からISEP作成

図5 東北電力エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年5月7日)/出所:東北電力が公表する電力需給実績からISEP作成

図6 東京電力エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年5月5日)/出所:東京電力が公表する電力需給実績からISEP作成

図7 北海道電力エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年5月7日)/出所:北海道電力が公表する電力需給実績からISEP作成

図8 東日本エリアの1日の系統電力需給の実績(2017年5月5日)/出所:各電力会社が公表する電力需給実績からISEP作成

以上

この速報に関するお問い合わせ
認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)
〒160-0008 東京都新宿区三栄町3-9
お問い合わせ: https://www.isep.or.jp/about_contact
TEL: 03-3355-2200,  FAX:03-3355-2205
担当:松原

ライブラリ: 自然エネルギー政策 過去の記事一覧