文字サイズ
標準
拡大

「永続地帯2016 年度版報告書」の公表について

「永続地帯2016 年度版報告書」の公表

プレスリリース(PDF)

千葉大学倉阪研究室 + 認定NPO 法人環境エネルギー政策研究所

千葉大学倉阪研究室と認定NPO 法人環境エネルギー政策研究所は、日本国内の市町村別の再生可能エネルギーの供給実態などを把握する「永続地帯」研究を進めています。「永続地帯」研究の最新結果(2016 年3 月現在)では、2016 年3 月末時点で稼働している再生可能エネルギー設備を把握し、その設備が年間にわたって稼働した場合のエネルギー供給量を試算しました。

その結果、以下の事実が明らかになりました。

  1. 2015 年度に、太陽光発電の発電量が、日本全体の再生可能エネルギー供給量の半分を超えるが伸び率はやや鈍化(表1)
  2. 太陽光以外の再エネ発電の中では、バイオマス発電の伸びが加速。その他の再エネ発電には、固定価格買取制度の効果が十分に現れていない。
  3. 再生可能エネルギー熱の供給は、減少に転じる。
  4. 2012 年3 月から2016 年3 月にかけて、国内の再生可能エネルギー供給は倍増
  5. 域内の民生・農水用エネルギー需要を上回る量の再生可能エネルギーを生み出している市町村(100%エネルギー永続地帯)は、順調に増加(2011 年度50、2012 年度54、2013 年度60、2014 年度62、2015 年度71)
  6. 域内の民生・農水用電力需要を上回る量の再生可能エネルギー電力を生み出している市町村(100%電力永続地帯)も、2011年度に84 団体、2012 年度に88 団体、2013 年度は94 団体、2014 年度に97 団体、2015 年度に111 団体と増加。
  7. 再生可能エネルギー供給が域内の民生+農水用エネルギー需要の10%を超えている都道府県がはじめて半分を超えて25 に増加(2011 年度8、2013 年度14、2014 年度21、2015 年度25)
  8. 食料自給率が100%を超えた市町村が568 市町村と微減。100%エネルギー永続地帯である71 市町村のうち、39 市町村が食料自給率でも100%を超えている(表2)。
都道府県別の自然エネルギーによる電気の割合のランキング(民生部門+農林水産部門)2015年度の推計値

参考図:都道府県別の自然エネルギーによる電気の割合のランキング(民生部門+農林水産部門)2015年度の推計値 出所:永続地帯研究会「永続地帯2016年度版報告書」データよりISEP作成

図1図2

 

※ なお、本報告書には、以下の個別調査結果を含んでいます。第7 章をご覧ください。
7.1. 国内外の再生可能エネルギーの動向 松原弘直(認定NPO 法人環境エネルギー政策研究所)
7.2. 電力会社エリア毎の電力需給にみる再生可能エネルギーの割合 松原弘直(認定NPO 法人環境エネルギー政策研究所)
7.3. 営農継続型発電の普及の現状 馬上丈司(千葉エコ・エネルギー株式会社代表取締役)
7.4. FIT における輸入バイオマス資源の取り扱い 馬上丈司(千葉エコ・エネルギー株式会社代表取締役)
7.5. 3 万kW 未満の水力発電まで試算対象とした場合のランキング 永続地帯研究会
7.6. 食料自給率計算の検証、経年変化、今後の課題 泉浩二(環境カウンセラー)

※ 報告書本体(カラー版)・都道府県分析表は、 http://sustainable-zone.org/ に掲載してあります。

千葉大学人文社会科学研究科教授 倉阪秀史
認定NPO 法人環境エネルギー政策研究所 松原弘直