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【イベント】新しい自然エネルギー政策を目指して

去る5月25日、2006年度GEN総会記念シンポジウム「新しい自然エネルギーを目指して~RPS法改正に向けて~」が開催された。約80名の方にご来場いただき、活気のあるシンポジウムとなった。

シンポジウムでは、前半が大野輝之氏(東京都環境局)、レスター・ブラウン氏(アースポリシー研究所所長)による基調講演が行われ、後半は大野輝之氏、伊藤吉幸氏(ソニー・ミュージックコミュニケーションズ)、蟹江憲史氏(東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授)、竹本徳子氏(カタログハウスエコひいき事業部長)、西川太一郎氏(荒川区長)によるパネルディスカッション(コーディネータ:飯田哲也氏環境エネルギー政策研究所所長・「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク代表)が行われた。

基調講演では、大野氏より、持続可能な都市を目指す東京都の、都市としての現状や取り組みの姿勢について、海外の都市の紹介も含めながら説明がなされた。また、今年4月に東京都が策定した「再生可能エネルギー戦略」についての報告があった。

↑大野氏講演の様子

レスター氏からは、世界的なエネルギー消費の増大という背景をふまえて、食糧であり燃料でもある農産物(とうもろこし・さとうきびなど)の話があった。また、世界の再生可能エネルギーの動向についても触れ、世界がその普及に向けて直ちに行動しなければならないというメッセージが発信された。

↑レスター氏講演の様子

パネルディスカッションでは、東京都の再生可能エネルギー戦略に対して、パネリスト各々の立場からお話しいただいた。

↑ 後半のパネルディスカッションの様子

筆者が今回のシンポジウムに参加して分かったことは、この東京都の再生可能エネルギー戦略に対する周囲の期待の高さである。世界的にも有数の都市である東京。その施策が他の都市に与えるインパクトは、実際に大きなものになるに違いないし、実際にそうした期待の声をパネリストの方やご来場の方々から直接伺えたのが興味深かった。またこの戦略を策定した、当の東京都の大野氏の発言の一つ一つが心強く感じられたことも、印象的だった。

今回の戦略の策定は、最初の第一歩に過ぎない。この第一歩を大きく確かなものにするためにも、これからの取り組みこそが重要になる。今後の東京都の再生可能エネルギーの施策にしっかり注目していきたい。

■プログラム

13:00  開場

13:30  開会のあいさつ

13:40  基調講演 東京都の再生可能エネルギーの取り組み 当日資料(PDF)
     大野輝之 東京都環境局企画担当部長 

14:30  基調講演 バイオ燃料と食料問題 当日資料なし
     レスター・ブラウン アースポリシー研究所所長

<休憩>

15:30  パネル討論~東京から変える日本の再生可能エネルギー戦略

【パネリスト】 (50 音順 )

○伊藤吉幸 ソニー・ミュージックコミュニケーションズ 執行役 当日資料(PDF)

○大野輝之 東京都環境局企画部長 

○蟹江憲史 東京工業大学 大学院社会理工学研究科 助教授  当日資料(PDF)

○竹本徳子 カタログハウス エコひいき事業部長  当日資料(PDF)

○西川太一郎 荒川区長 

【コーディネータ】
○飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長/ 「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク代表 

【狙い】ディーゼル対策や地球温暖化政策など、東京都は日本の環境政策をリードしてきた。今回、東京都が提案した再生可能エネルギー戦略をテーマに、その社会的な意義や企業にとっての意味を議論するとともに、実現方策を探る。

17:00  まとめ&終了

<報告者> ISEPインターン 黒崎一徳