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電気事業者ごとの実排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について(案)への意見

パブリックコメントとして「電気事業者ごとの実排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について(案)への意見」を以下のとおり資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力基盤整備課へ提出しました(2016年7月31日)。

・該当箇所

3.調整後二酸化炭素排出量の調整方法(4) 固定価格買取調整二酸化炭素排出量

・意見内容

固定価格買取調整二酸化炭素排出量の調整方法において、固定価格買取制度により導入された再生可能エネルギーの「環境価値」としての二酸化炭素削減量の取り扱いの是正し、再生可能エネルギーによる電気の排出係数をゼロとして算定を行うべき。

・理由

FIT法によって支援された再生可能エネルギー電気の「環境価値」は、追加性の原則から考えて、一般消費者が負担するFIT賦課金に含めるのではなく、その「環境価値」の買い手が一定の負担のもとで購入できるよう、FIT法の運用を改めるべきである。買い手がない場合は、一般送配電事業者がその「環境価値」の最低買い取り単価を定め、それを自らの経費で負担することで電力の排出原単位を削減することにすれば良い。

FIT法の賦課金は、本来、まだ未成熟な再生可能エネルギー技術を過渡的・時限的に支援する性質の費用負担である。したがって、自然エネルギー電気が二酸化炭素削減や放射能削減を行う「環境価値」の負担の構図とは切り離して、本来なら温暖化対策で削減義務を負う事業者(電力会社や大規模事業所など)が負担する「あるべき姿」で制度設計を見直すことで、この捻れた問題が解消する。環境価値を含め、供給する電気に関する情報を積極的に開示することを主眼に置くべきである。

 

参考資料:「自然エネルギーの環境価値」ISEP, 自然エネルギー白書2015, pp.79-81, https://www.isep.or.jp/jsr2015