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【プレスリリース】3.11後の1年間を振り返り、これからを展望する

2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く大津波、および東京電力福島第一原子力発電所の深刻な原子力事故により、犠牲になり、また被災された皆さまには慎んで心よりのお見舞い申し上げます。

昨年の3.11当日、所長の飯田哲也は、ドイツ・ポツダムで国際再生可能エネルギー機関の戦略会議に参加している最中に、エネルギー大地震の報に接しました。その会議の主催者は、チェルノブイリ原発事故当時のドイツの環境大臣であり、その後にドイツの脱原発を決定づけた倫理委員会委員長に任命されたクラウス・テプファー元環境大臣であったことも、歴史の因縁を感じざるを得ません。

以来、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の研究員やスタッフ、ボランティア、支援者の皆さまとともに、「エネルギーシフト」の公論を提起し、国内外のエネルギー政策論議をたえずリードしてきました。

今なお、国の原子力・エネルギー政策は、混乱・混沌として行方が定まりませんが、国民は違います。3.11以前には、国民のほとんどが、原子力・エネルギーに関する知識もないまま、事実上、「洗脳」されていた状況に比べれば、3.11以後は格段に国民の原子力リテラシー・エネルギーリテラシーが高まり、原子力ムラの空洞や電力会社の独占のウラにある様々な問題などをしっかり理解した上で、およそ7〜8割もの国民が脱原発を望んでいるという、不可逆な現実があります。

過去の2度の地球規模の原発事故(スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故)が世界史を変えたという史実、日本にとって3度目の大規模な放射能汚染であり、3度目の「敗戦」(明治維新、太平洋戦争)という大きな歴史の節目であることを踏まえれば、原子力・エネルギー政策は歴史的な転換期にあり、同時に原子力・エネルギー政策の転換から歴史が変わるとも考えられます。

私ども認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所(ISEP)は、この歴史的な転換期にあって、これまでも、そして今後とも、原発にも化石燃料にも依存しない、民主的で地域自立型の持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、国内外のご支援・ご協力・ご指導いただいてきた皆さまとともに、様々な活動を続けてゆく所存です。

3.11後の1年を振り返り、これからを展望しつつ、ここに、あらためて皆さまに3.11後の新たなエネルギー戦略の提言を行いたいと思います。

プレスリリース「3.11後の1年間を振り返り、これからを展望する」】 ※詳細はこちら。この1年間の提言や活動やご紹介しています。

3.11後のエネルギー戦略No.5「原子力版船中八策~現実的かつ実効的な原子力政策への処方箋~】※新たなエネルギー戦略の提言です(2012年3月11日公表)。